「リンダリンダ」行ってきました
KOKAMI@network第6回公演。
芝居と音楽と人生との関わりを考える一本でした。
山本“副長”耕史、松岡“SOPHIA”充、主演。
そして何より、鴻上尚史作・演出で、
音楽が全曲ブルーハーツですから、
見逃すわけにはいきません。
結論から言うと、
演劇として、傑作に位置するとは思えません。
が、最後にはスタンディングオベーション。
そんなカタルシスもあるのです。
以下、少々ネタバレあり(観劇に支障をきたさないくらいに)。
鴻上さんの芝居が好きなのは、
芝居がまるで鏡のように作用して、
自分は今どんな生き方をしているんだ?と
問いかけてくれるから、というのが大きいです。
特に最近はその傾向が強いですね。
「ピルグリム」なんて、ラストじゃ本当に劇場の壁面いっぱいに
鏡がはりめぐらされていたし。
「第三舞台は変わらない。そして、変わり続ける」
というのは大好きな言葉なのですが、
そんな第三舞台、鴻上作品に相対したときに、
観客としての自分が、「さあお前はどうなんだ」と問われているようで。
俺たちはここにいるぞ、お前はどうなんだ、と。
そんな気分になるのですよ。
作品のテーマ云々を除けば、「朝日のような夕日をつれて」からも
そんなメッセージが伝わってきましたね。
今見たら、「トランス」なんかもそうなのかな。
で、「リンダリンダ」ですよ。
これまた、突きつけられましたね。
自らの“ロック”を信じて突っ走る登場人物たち。
「夢も希望も終わったけどな、人生は続くんだよ!」という
セリフに全てが集約されている気がします。
そして、僕と同世代の主人公たちと行動を共にする、
全共闘世代の男・荒川(=大高洋夫)。
これもまた人生背負ってるんですよねー。
なんてチャチなフレーズ。
信じるものはあったけど、それが崩れ去るのを目の当たりにした荒川たち。
そして、初めから信じるものなんてなかった主人公たち。
さあ、お前はどう生きる?
と問われている気がしてなりません。
ここで鴻上さんがすごいのは、
一つ、指標を指し示していることですね。
すなわち、何度も彼の作品で登場しているセリフ
「夢を見続ける力のことを“才能”と言うのだ」
に尽きます。
そういう意味では、今回の芝居は、
戸惑いつつも、才能は決して枯らさなかった男たちの物語ですから、
希望も持てるってものです。
そして「リンダリンダ」のもう一つの軸が、
ブルーハーツの数々の名曲ですね。
ミュージカル、と言ってもいいくらいだったのではないでしょうか。
しかもその一つ一つが、耳馴染みのある曲ばかりで。
音楽というのは、その聞いていたシチュエーション、時代背景が
同時にフラッシュバックしてくるものですが、
僕にとっては、ブルーハーツ=第三舞台、
という図式なんですよ。
リアルタイムで曲がヒットしていた時には、
それほど凄いとは思っていませんでした。
王道ポップスばかり聞いていたもので。
EPICソニーの申し子みたいなもんです。
で、その後のめりこんだ第三舞台の中で、さんざん使われていたことで、
ブルーハーツに興味を持ったのです。
その流れで、芝居以外の曲も聴いたりして。
当然、自分の芝居の打ち上げでは「リンダリンダ」で飛び跳ねて。
「夕暮れ」は、もちろん「トランス」で穏やかなダンス。
「青空」は、ビデオでしか見ていませんが、
「宇宙で眠るための方法について序章」での筧・小須田コンビの名シーン。
それらの曲の一つ一つを、鴻上さんは改めて、
一本の芝居の中で紡いでいったわけです。
ファンとしては、心が震えないはずがないでしょう。
たまらなかったですね、全ての曲が。
帰宅したらすぐに、ブルーハーツベストを聞いちゃいましたもん。
そんな芝居ですから、
アンコールも見事な演出が。
一度幕が下りてからも、拍手はやまず。
再度幕が上がると、客席総立ち。
今日は、僕は率先して立ち上がってましたね。
で、袖から役者陣が、誰からともなく歌って出てくるわけです。
「どーぶーねーずみー、みたいにー」
合唱。
シアターアプルで、合唱。
カラオケボックスじゃないですよ。
キャラメルボックスでもないですよ。
シアターアプル。
キャスト全員と共に、「リンダリンダ」大合唱ですわ。
さすがに飛び跳ねなかったけど。
いやー、気持ちよかった。
しかも、ギターを弾いてるのは大高洋夫さんですよ。
大高さん伴奏の「リンダリンダ」。
なんて贅沢なんだ。
劇団四季「マンマミーア!」でもABBAの大合唱と聞いていますが、
似たシチュエーションなんですかね。
でも、僕は残念ながらABBAには思い入れはないので、
今回ほどは盛り上がらないんだろうな。
そんなこんなで、
非常に思い入れの強い芝居となりました「リンダリンダ」。
公演は、まだ続きます。
情報は、こちら。
魂を震わせたいあなたは、ぜひ。


Comments